さて、ユニット社のことが分かって、顧客のこともぼんやりとではあるがそれなりに分かってきた。これまでやってきたのは、いわば「現状認識」だ。
ここから「じゃあどうしたら良いのか」ということを考えていく必要がある。
おお、ようやくプランニングに入っていくわけですね!
ああ。今回は3つのツールを使おうと思っている。SWOT分析、発想法、KJ法の3つだ。
あら、何だか難しそうな言葉が並びますね…。
大丈夫! 大層な名前はついているが、どれもコンセプトはシンプルだ。
まずはSWOT分析。これはユニット社の強み(Strength)と弱み(Weakness)、外部環境の機会(Opportunity)と脅威(Tthreat)をリストアップするところから始まる。
強みを活かしたり弱みを補ったりして、外部環境の機会を捉えたり脅威に備えたりして事業の成長を描けるような計画を立てることが目的だ。
あ、外部環境分析といったら、マクロの市場トレンドもはずせないんじゃないでしょうか。
そもそもユニフォームの需要が減っているのか増えているのか、ユニフォームの中でもどのカテゴリーに市場機会があるのか…。
良い着眼点だ!
まず市場規模についてだが、意外にも実は微増傾向にある。2011年から2015年まで100% – 102%程度の成長を続けている。
おお、伸びているんですね!
とは言っても人件費や材料費の高騰で、状況は芳しくない。何より日本の人口は減少トレンドにあるから、長期的には抜本的な対策が必要になってくるだろう。
短期的にも商社が製造まで手がけるようになったり、カジュアル化するオフィスユニフォームの需要に応えようとアパレルメーカーが参入してきたりと、競争環境は激化している。
う…。
市場構成比を見ると、
- スクールユニフォーム: 学校制服
- ワーキングユニフォーム: 食品以外の製造工場、建築業向けユニフォーム等
- オフィスユニフォーム: 事務服
- サービスユニフォーム: 病院、介護施設、清掃業、飲食業、食品工場向けユニフォーム等
の 4 分野で分けたとき、ワーキングユニフォームが過半を占めている。
大きなトレンドとして、スクールユニフォームのみ微減。この流れは少子化の影響もあって今後も続くだろう。反面、一度受注したら毎年安定した注文につながるとあって、各メーカーが有名スタイリストと組んだり、キャラクターとコラボしたり、とにかくしのぎを削っている。
サービスユニフォームの中でもメディカルユニフォームは特に伸びていて、これは介護施設を中心として就労人口自体の増加に起因している。他カテゴリーのユニフォームメーカーもここにどんどん参入していて、競争が激化してきているらしい。
2020年開催の東京オリンピックに向けて、建築現場やホテル施設などのユニフォームの需要は伸びている。女性の社会進出に伴って新しいユニフォームの需要も生まれつつあるが、まだ市場にインパクトを与えるほどではないという難しいところだ。
工場向けユニフォームも意外と伸びている要因は、食品工場などの海外進出に伴う海外での需要によるもののようだ。
いつのまにここまで調べていたんだ…。
市場規模についても市場構成比についても、株式会社矢野研究所が2016年7月14日に発表した市場調査結果を参考にさせてもらっている。
こういった情報はネットにもたくさん出ているし、国立国会図書館まで足を運べば買うと10万円以上するような専門書にも無料でアクセスできる。実はコンサルタントご用達のすごい施設だ!
国立国会図書館には私も行ったことありますが、国会丼を頼んだだけで喜んで帰りました…。
さて、今回はあえてニッチ市場を取りに行くようなプロジェクトだから、マクロ分析はこれくらいにして、SWOTの図を埋めていこう。
思いついた要素を付箋に書いて、どんどんホワイトボードに貼っていくんだ!
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けっこう埋まってきましたね!
ユーザーインタビューも活きてて良い感じ!
しかし、弱みや脅威が多いこと…。
ま、中小企業なんてえてしてこんなもんさ。
ここから強みを活かし、弱みを克服して脅威に備え、機会を捉える企画を練り上げていくわけですね。
ああ、現状の整理としてはこんなものだろう。
こうやって傷口をえぐるようなことは、本人たちにはなかなか難しいものだけど、ネガティブな情報にもしっかりと向き合わないといけない。
全部の弱みを克服したり脅威に対応する必要なんてなくて、一点突破できれば良いんだから、勝負はここからだ!
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